DC-DCコンバータ|設計編
出力コンデンサとフリーホイールダイオードの配置
2020.08.18
この記事のポイント
・出力電流が小さければ出力コンデンサの容量は比較的小さくて済むため、セラミックコンデンサ1個で出力コンデンサと高周波用デカップリングコンデンサを兼ねることができる。
・フリーホイールダイオードは、ICや出力コンデンサと同じ面の直近に配置する。
・ダイオードとスイッチングMOSFETが接続するノードの配線が長くなると、配線インダクタンスにより誘起された高周波のスパイクノイズが出力に重畳される。
・スパイクノイズの対処にはスナバ回路が利用できるが、損失が生じるので注意が必要。
前回の入力コンデンサに続き、次に重要な部品である出力コンデンサとフリーホイールダイオードを配置します。
出力コンデンサとフリーホイールダイオードの配置
入力コンデンサの次に、出力コンデンサとフリーホイールダイオードを配置します。
この基板レイアウトの解説は、出力電流が1Aまでの昇圧回路を前提にしています。この大きさの出力電流であれば、出力コンデンサCOUTの静電容量は比較的小さくて済むため、セラミックコンデンサ1個で高周波用デカップリングコンデンサCOBYPASSを兼ねることができます。これは、セラミックコンデンサは容量が小さくなるにつれ周波数特性がよくなるからです。しかしながら、セラミックコンデンサの種類やメーカーによって周波数特性は異なるため、実際に使用する部品の周波数特性を確認する必要があります。
フリーホイールダイオードD2は、ICやCOUTと同じ面の直近に配置します。ダイオードとスイッチングMOSFET Q2が接続するノードはスイッチングノードなので、高周波ノイズの発生源です。このノードの配線が長くなると、配線インダクタンスにより誘起された高周波のスパイクノイズがVOUTに重畳されてしまします。さらに、スイッチングMOSFET Q2からフリーホイールダイオードD2、高周波デカップリング兼用出力コンデンサCOUTのループは可能な限り小さくし、高周波ノイズの輻射を最小限に抑えます。これらの部品配置と配線は、必ず同一面で完結する必要があります。ビアを介して裏面に配置、配線すると、ビアコンダクタンスの影響によりノイズが悪化しますので、絶対にビアを介さないでください。これらを考慮した望ましいレイアウト例を、右図に示します。関連するレイアウト部分は濃い色で表示してあります。

望ましい出力コンデンサとフリーホイールダイオードの配置例
先に記したように、スイッチングノードが長くなると配線インダクタンスが増加するため高周波スパイクノイズが大きくなり、大抵の場合悪影響を及ぼします。この高周波スパイクノイズを改善するには、RCスナバ回路を追加する対処方法があります。
このスナバ回路は、スイッチングMOSFET Q2とICのGND端子の直近に配置する必要があるので、あらかじめスナバ回路用の抵抗RSとコンデンサCSのランドを用意しておくことを勧めします。
留意点として、スナバ回路にはスイッチング動作において常に損失が生じるため、効率を低下させる要因になることを知っておいてください。スイッチングノードのスパイクノイズ低減と効率との間で、トレードオフが必要になる場合があります。

望ましいスナバ回路の配置例
DC-DCコンバータ
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