DC-DCコンバータ|基礎編
長所と短所、リニアレギュレータとの比較
2014.05.27
この記事のポイント
・スイッチングレギュレータは効率が良いことが一番のメリットだが、デメリットもよく理解したうえで使わないと、様々な問題に遭遇する。

図 29
電源設計を始めるにあたって、おおよその仕様が決まれば、次はスイッチングレギュレータかリニアレギュレータの選択という作業に入ることになります。要求仕様を満たすために明らかにどちらかでなければならない場合はいいのですが、どちらでも行けそう、というケースも多々あります。この際は、それぞれの特徴と長所短所をもとに検討することになります。図29にスイッチングレギュレータの長所と短所、そして図30にはリニアレギュレータとの比較をまとめてみました。
一番の長所は、変換が自在にできる点だと思います。降圧が最もよく利用されると思いますが、電池などの低電圧から昇圧したり、正電圧から反転させ負電圧を作ったり、あるいは、リチウムイオン二次電池(例:4.2V~2.8V)から3.3Vのような入力が出力電圧をまたぐ場合は昇降圧も可能です。
次は、やはり効率が高い点だと思います。種類にもよりますが、最大95%くらいの効率が可能です。ただし、スイッチングレギュレータの効率は、負荷電流の大小によってかなり変わります。基本的には、負荷電流が小さくなると効率は大きく下がります。これは、近年要求の厳しい待機時電力の削減とも関係しますので、スイッチングレギュレータの課題となっています。

図 30:リニアレギュレータとの比較
短所は、コンデンサや抵抗といった能動部品、ダイオードやトランジスタなどの半導体部品に加えて磁気部品が必要になり、部品数自体も増えて設計が複雑になる点です。昨今のスイッチング電源用のICは、必要な回路の集積化を高めて、調整も簡単にできる工夫が進んでいますので、以前よりは簡単に 電源を設計が出来る様になりました。それでも、リニアレギュレータに比べれば複雑であることは間違いありません。また、スイッチング動作をしますので、それに関連したノイズやリップルが出ます。ノイズが多いとアプリケーションによって使いにくいのは事実です。また、EMI(電磁妨害)規制への適合など、評価にも手間と時間がかかります。
最後にコストに関しては、単純にIC単体や構成部品だけの話をすれば、リニアレギュレータと比べてどうしても高くなってしまいます。ただし、リニアレギュレータも放熱板をともなうと面積や体積も考慮することになりますので、扱う電力が大きくなると、スイッチングの方がトータルのソリューションコストが安くなる場合があります。設計においては、各長所、短所をよく検討して、目的に合う方式を選択することが大切です。
DC-DCコンバータ
基礎編
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- 昇圧型DC-DCコンバータの出力リップル電圧 -はじめに-
- 昇圧電源の負荷短絡によるトラブルと保護回路 -はじめに-
- 昇圧型DC-DCコンバータの最大出力電流 -はじめに-
- リニアレギュレータの基礎
- スイッチングレギュレータの基礎
- DC-DCの基礎 ーまとめー
- DC/DCコンバータとは?
設計編
評価編
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損失の検討
- 同期整流降圧コンバータの制御IC消費電力損失
- 同期整流降圧コンバータのデッドタイム損失
- 同期整流降圧コンバータのゲートチャージ損失
- インダクタのDCRによる導通損失
- 電源ICの電力損失計算例
- 定義と発熱
- 同期整流降圧コンバータの損失
- 同期整流降圧コンバータの導通損失
- 同期整流降圧コンバータのスイッチング損失
- 損失の簡易的計算方法
- パッケージ選定時の熱計算例 1
- パッケージ選定時の熱計算例 2
- 損失要因
- スイッチング周波数を高めて小型化を検討するときの注意
- 高入力電圧アプリケーションを検討するときの注意
- 出力電流が大きいアプリケーションを検討するときの注意 その1
- 出力電流が大きいアプリケーションを検討するときの注意 その2
- 損失の検討 ーまとめー
- スイッチングレギュレータの特性と評価方法の概要
- 電源ICのデータシートの読み方:表紙、ブロック図、絶対最大定格と推奨動作条件
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応用編
- リニアレギュレータを使った電源設計のポイント
- LDOリニアレギュレータの並列接続とは
- リニアレギュレータの簡易的な安定性最適化方法
- 汎用電源ICで電源シーケンスを実現する回路
- リニアレギュレータを使った電源が起動しないトラブル事例1:手はんだによるICおよび周辺部品の破損
- フローティング動作のリニアレギュレータを使った電源設計のポイント
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