DC-DCコンバータ|設計編
帰還経路の配線
2020.10.13
この記事のポイント
・帰還経路配線はインピーダンスが高くノイズを拾いやすい。
・帰還経路配線がノイズを拾うと、出力電圧に誤差が生じたり動作が不安定になったりする場合がある。
・帰還経路の配線は本文に示した4つのポイントに注意して行う。
今回は、帰還経路の配線についての説明です。
帰還経路の配線
「昇圧型DC-DCコンバータの電流経路」で確認したように、回路配線には入力や出力に関連する大きな電流が流れる経路と、制御などを目的とした小さな電流しか流れない経路があります。一般に小さな電流しか流れないのは信号系の経路になります。出力電圧をFB(フィードバック)端子に帰還する帰還経路の配線、他には電源ICによりますが、オン・オフ制御するイネーブルやシャットダウン端子などへの信号配線があります。
信号系の配線において特に注意が必要とされるのは帰還経路の配線です。この配線は、出力電圧安定化のために出力ラインからFB端子に出力電圧を帰還する配線で、出力電圧設定用の分圧抵抗を介してIC内部のエラーアンプの入力につながることから、インピーダンスが高いラインになります。ラインインピーダンスが高いとノイズを拾いやすくなり、帰還経路の配線がノイズを拾うと出力電圧に誤差を生じ、動作が不安定になる場合があります。
帰還経路の配線に関して注意すべきことを示します。左側の回路図は単純な結線を示した回路図で、右側は(a)~(d)の4つの注意点に該当する箇所と配線イメージを反映させた回路図になっています。
- (a) 帰還信号を入力するICのFB端子は通常インピーダンスが高く、このFB端子とR1とR2による抵抗分圧回路は、短い配線で接続する。
- (b) 出力電圧を検出する箇所は、出力コンデンサCOUTの両端か、出力コンデンサより後ろに接続する。
- (c) 抵抗分圧回路の配線は、平行かつ近接させた方がノイズ耐性がよい。
- (d) インダクタLやダイオードD2から遠ざけて配線する。インダクタやダイオードの直下や、電力系配線と並行して配線しない。多層基板においても同様。

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