DC-DCコンバータ|設計編
降圧コンバータ動作時の電流経路
2015.12.01
この記事のポイント
・基板レイアウト(設計)をするにあたり、降圧コンバータの電流経路を理解することは重要。
・スイッチングレギュレータのスイッチング動作による電流の急激なオンオフは、適切なレイアウトによる対処がないと回路動作や他へ悪影響を及ぼす。
DC/DCコンバータの基板レイアウトをするにあたり、考慮すべきことやなぜそうするのかということを理解するために、降圧コンバータの動作時の電流経路を知っておく必要があります。
スイッチングレギュレータは、アナログ回路ではありますが、線形動作が中心の回路は異なり、電流と電圧がスイッチする、つまりオンオフします。基板レイアウトは、どのノード、どのラインにどんな性質の電圧が加わり、どんな電流が流れるのかを考慮して、最適な経路を設計する作業です。
今回は出発点となる、「降圧コンバータ動作時の電流経路」を説明します。また、本章では、以下の項目についての説明を予定しています。
降圧コンバータ動作時の電流経路

Figure 1-a. スイッチング素子Q1がオン時の電流経路

Figure 1-b. スイッチング素子Q1がオフ時の電流経路

Figure 1-c. 電流の差分、レイアウト上での重要箇所
右の回路図は、ダイオード整流または非同期整流と呼ばれる降圧DC/DCコンバータICと、その外付け回路です。BOOT端子につながっているコンデンサは、内蔵Nch-MOSOFETをドライブするためのブートストラップ用のものです。また、COMP端子につながっている抵抗とコンデンサは、位相補償用の部品です。これらの端子は、ICによって存在しないものもあります。他の端子や部品は説明するまでもなく、基本的な端子と必要な外付け部品です。
Figure 1-a の赤色のラインは、スイッチQ1がオン時に流れる主な電流と経路、そして方向を示しています。CBYPASS は高周波用のデカップリングコンデンサで、CIN は大容量コンデンサです。
スイッチQ1がオンした瞬間、急峻な電流が流れますが、その大半は CBYPASS から供給され、次にCIN から供されます。緩やかな変化の電流は入力電源から供給されます。
Figure 1-b の赤色のラインは、スイッチQ1をオフした時の電流経路です。ダイオードD1がオンし、インダクタLに蓄積されたエネルギーが出力側へ放出されます。
降圧コンバータは出力にインダクタが直列に挿入されているため、出力コンデンサの電流は上下しますが、滑らかです。
Figure 1-c の赤色のラインは、Figure 1-aと1-bの差分を表しています。スイッチQ1がオフからオンへ、オンからオフへ切り替わる度に赤色ラインの部分の電流は激しく変化します。この系は変化が急峻なため、高調波を多く含んだ電流波形になります。
この差分の系は重要箇所として、 PCB レイアウトでは最大限の注意を払う必要があります。
概略的には、同期整流式でも、スイッチングトランジスタが外付けでも同じ流れになります。以降の説明は、この電流の流れを前提に話を進めていきますので、この電流経路をしっかり理解してください。
DC-DCコンバータ
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