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EMCコラム

回路設計とEMC設計の塩梅

第3回 半導体概要(3)
半導体集積回路(LSI・IC)モジュール

モジュールの需要が高まっている理由

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こんにちは! ロームの稲垣です。

第3回は半導体集積回路(LSI・IC)モジュールです。一般に、モジュールと呼ばれている製品は、大きく2種類あります。1つは、小さなプリント基板(PCB)や樹脂筐体・金属筐体に半導体集積回路(LSI・IC)と、その周辺部品(主に受動素子等)を搭載して特定の機能を持たせたものです。もう1つは、樹脂封止品(モールド品)の中に半導体集積回路(LSI・IC)の珪素片(チップ)と、その周辺部品(主に受動素子等)を内蔵して特定の機能を持たせたものです。

モジュールの主な開発背景としては、製品の高機能化を全てセット・メーカで実現するのが困難な場合、半導体メーカでも更なる機能設計、もう1段階上の機能設計を推し進める必要性から誕生しました。

ロームの製品では、SiC(炭化珪素/シリコン・カーバイド)パワー・モジュールが18品種、インテリジェント・パワー・モジュール(IGBT絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ等)が22品種、パワー・モジュール(AC/DC、DC/DC)が34品種、無線通信モジュールが9品種、合計83品種となっています。

 モジュールには以下の利点と特長があります。

  • ①周辺部品(主に受動素子等)を内蔵しているので製品プリント基板(PCB)の部品点数が少なくなることから信頼性が向上し、特に車載用途等に有利となる。また製品プリント基板(PCB)のアート・ワーク(部品配置と部品間配線)の影響を受けにくくなる。
  • ②製造工程(プロセス)の異なる複数チップの内蔵、例えばアナログIC+デジタルICやコントローラIC+ドライバ(個別半導体素子)等を実現できる。
  • ③機能として完成しているのでブラック・ボックスとして扱え、製品の開発期間短縮が見込める。
  • ④周辺部品(主に受動素子等)の定数最適化や配線レイアウトの最適化が完了しているので、所謂「ポン付け」でも最高の電気的特性(性能)が得られる。

特に電磁両立性(EMC)については、モジュールでは周辺部品(主に受動部品等)含めて1つの機能製品として電磁両立性(EMC)評価や電磁両立性(EMC)規格適合判定が行われているので、安心・安全に使えるのが大きな特長です。電磁干渉(EMI)の対策部品である、誘導素子(L)1個と容量素子(C)2個で構成されるπ(パイ)型濾波器(フィルタ)や、電磁感受性の対策部品である容量素子(C)等を内蔵している製品が、世の中の主流となっています。最小単位の基本的な電子部品を物理的に組み上げる事によって、信頼性・機能・利便性・性能等、より多くの利点を得る事ができるのがモジュールです。このような利点があるモジュールの需要は増加傾向にあり、高機能化、小型化、堅牢性向上などアプリケーションの要求に応えるモジュールの開発が進んでいます。

御一読頂きまして、どうもありがとうございます。

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