エンジニアコラム

回路設計とEMC設計の塩梅第22回 EMC計算法・EMCシミュレーション(7) グラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)

2022.06.14

こんにちは! ロームの稲垣です。

第22回は少し趣を変えて、電磁両立性(EMC)の計算法・シミュレーションで、実際に用いたグラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)についての話をしようと思います。

内製ツールや市販ツールをシェル・スクリプト(.batファイル)を使って実行する場合、Windowsコマンド・シェル上からコマンド入力する方法が一般的かと思います。但し毎回コマンド入力したり、複数のコマンドがあったりする場合や、第3者が使う場合に混乱が起こらないとも限りません。そこで今回はそう言った懸念を無くす為に、GnuAutoHotkey(オープン・ソース)を使ったGUIメニューを紹介しようと思います。元々はショート・カット・キー(ホット・キー)の割り当てツールですが、GUI作成機能も含まれています。まずは見て頂くのが一番わかりやすいと思います。EMCシミュレーションの全体メニューはこんな感じで運用しています。.ahkファイルをダブル・クリックすると、プログラムが起動します。

GnuAutoHotkeyのGUI表示,Computational Electromagnetics (CEM)

このメニューの中から、EMCシミュレーションしたい電磁両立性(EMC)規格をクリックすると、その規格に対応した計算検証の実行パネルが立ち上がります。ここでは、IEC 61967-4規格1Ω/150Ω法を例に挙げています。Setup(セットアップ)、Optimization(差分補正値最適化)、Prediction(計算予測)と大きなカテゴリに分類されています。各々中のボックスを左から右、上から下へとクリックすると、該当フォルダのオープンやコマンドの自動実行等が可能となります。このように、コマンド入力することなく、マウス操作だけで計算検証が完了します。

GnuAutoHotkeyのGUI表示,IEC 61967-4計算検証の実行パネル

特筆すべきは、このGnuAutoHotkeyというツールは、書式さえ理解すれば、①特別なプログラムの知識は必要なく、②とても小さなASCIIファイルで、③起動や動作がとても速く、④必要とあらばコンパイルもできて(.exe化)、⑤オープン・ソース(無料)で使えます。動作としては、クリックによってコマンド・シェルを自動で立ち上げ、コマンドを自動入力しているだけです。ただ、その機能の記述方法が、大変簡単で且つ理解しやすいのです。実際に使ってみると、EMCシミュレーションだけでなく、何にでも使えるラッパ・ツールです。専用のレイアウト配置ツールも複数リリースされていて、非常に使いやすいツールです。是非とも、お試し頂ければと思います。

GnuAutoHotkeyのソース・コード,IEC 61967-4計算検証
(画像クリックで拡大)

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