2021.02.09
みなさんこんにちは。ロームの片桐と申します。第4回は、PMDEパッケージを採用したパワーダイオードの新製品についてです。
はじめに、PMDEパッケージの開発背景と経緯を少々お話しします。電子機器の小型化と省エネルギー化の要求は、電子機器を構成するあらゆる部品に及んでいるのは言うまでもありません。もちろんダイオードに対しても同様で、パッケージの小型化と放熱性能の向上が求められています。
ロームでは、平均整流電流IOが1~2Aクラスのパワーダイオードに関して、PMDSパッケージ(DO-214AC/SMAパッケージ:5.0×2.6×2.0mm)、そしてPMDUパッケージ(SOD-123FLパッケージ:3.5×1.6×0.8mm)を採用してきました。今回、放熱性能を高めることで、さらなる小型化を実現したPMDEパッケージ(2.5×1.3×0.95mm)を採用し、従来品以上に魅力的なダイオード製品を多く取り揃えました。
図1 放熱性能の向上により電流定格をそのままに大幅な小型化を図ったPMDEパッケージ
PMDEパッケージは、下面電極構造によって放熱性能を向上させたことにより、現在IO=1Aクラスで主流となっているPMDUパッケージと同等の放熱性能を実現しています。これにより、PMDUパッケージの放熱特性を維持しつつ、フットプリントサイズを40%削減することが可能になりました。そして、この小型高性能PMDEパッケージを採用したショットキーバリアダイオード(SBD)、ファストリカバリダイオード(FRD)、Transient Voltage Suppressor(TVS)の新製品を開発しましたので紹介します。
PMDEパッケージを採用したパワーダイオード製品
デバイス | シリーズ名 | 特長/用途 | 主要定格 |
---|---|---|---|
SBD | RBxx8シリーズ |
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IO=1A~2A VR=30V~150V |
RBRシリーズ |
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IO=1A~2A VR=30V~60V |
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FRD | RFN1VWM2S |
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IO=1A VR=200V |
TVS | VSxxVUA1VWMシリーズ |
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耐圧ランク5~33V 33~150V品を開発中 |
これらは現時点でのPMDEパッケージを採用したパワーダイオード製品で、今後さらに採用を広めていく予定です。今後も小型化と高効率化を同時に達成し、省エネルギーにつながる製品開発を継続して行きますので、ご期待ください。
以上、一読いただきありがとうございました。
機器の省エネ、高効率化に対応して進化を続けるシリコン系パワーデバイス。ダイオード、MOSFETの基本から選択方法、最新鋭デバイスの特性、アプリケーション事例を解説しています。
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