DC-DCコンバータ|応用編
ステップ応答波形の例
2021.01.26
この記事のポイント
・位相マージンの測定ができない場合の対処の1つとして、ステップ応答法を用いて簡易的にリニアレギュレータの安定性を確認することが可能。
・ステップ応答の観察波形から、リンギングが小さく収束が速くなる定数を見出す。
・ステップ応答特性はいくつかの要素による総合的特性とも言えるので、1つの部品の定数だけではなく他の部品についても検討し最適化を行う。
前回、ステップ応答の測定方法と回路を示しました。今回は、測定データの例を示します。
ステップ応答波形の例
以下の波形図は、回路図のRESRを0Ω~1Ωに変化させた場合のステップ応答(負荷過渡応答)の例です。
①はRESRが0Ω、つまり未追加です。負荷電流が立ち上がると出力は発振を起こしています。これが、出力コンデンサにMLCCを使用したら発振した、という現象の例です。位相の観点からはマージンがほとんどない状態です。

②はRESRを0.1Ωとした場合です。リンギングが発生し収束していきますが、収束までにかかる時間が長く、リンギングがノイズとして悪影響を与える可能性がある状態です。
③はRESRが0.2Ωです。リンギングは大幅に減っています。ここから時間軸が20μs/divになっている点に留意ください。
以後RESRを1Ωまで増加させるとリンギングは若干減りますが応答が遅くなり、負荷が立ち上がったタイミングでの出力電圧の落ち込みが大きくなっています。
この6つの例では、③か④、もしくはその間位の値のRESRが落としどころという見方ができます。
注意点があります。この例はCOが22μFですが、COの静電容量が変わると特性も変化します。最適化には容量の考慮も必要になる場合があります。また、当然ながら負荷電流値、電流ステップのスルーレート、リニアレギュレータICの種類など、他にも影響を及ぼす要素があります。したがって、一律に定数を決めることは難しく、その回路条件で見つけた最適な定数が他の回路でも通用するとは言えません。スタートラインとしては例示の抵抗値くらいが目安になると思いますが、他の条件も考慮して対処する必要があります。

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